ヒミズのこと

もう1ヶ月前に見たんだけど、一応流れで書いておく。

映画の印象は役者の演技に引っ張られる感じで見れたけど、内容に関しては漫画で語られる絶望と映画のそれとは全然違うもののように感じた。漫画の絶望はゼロ年代特有の空虚感によるもので、映画のそれは作られた(用意された)もののように見えて、少々現実味に欠けた。
特に震災と結びつけたそれはまったくゼロ年代の絶望の真逆のもので、相まみれるものではないように思えた。
結末では主人公が生還するが、これもあまり説得力のあるものではなかった。
それでも感動できたのはやはり主人公とヒロインの演技力だろうな。有無を言わせぬ迫力があった。
でもそれだけであった部分も否めず。

しかしこの絶望感の救い、というのが意外にもドラマや少女漫画に存在していた、ということを今読んでる宇野常寛の本で知ることになる。それはまた今度書こう。